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木部の塗装について(外部の木部編)
今回は、外部の木部塗装のお話です。
木材は調湿性能が有り、内部や外部・住宅の構造材に等様々な用途で使用されています。
我々塗装屋が、塗装する木部でいえばウッドデッキや羽目板、破風板、梁、建具、カウンター材等です。
それらの木部に塗装する塗料は、おおまかに分けて
吸い込ませる オイルステイン等の木目を生かす非造膜塗料と
表面にのせる 合成樹脂塗料等の木目を塗りつぶす造膜塗料の2種類があります。
外部の木部に上記2種類を塗装する際メリット、デメリット双方にありますので、
メンテナンスサイクルの長さを重視していくか、木目を生かす仕上がりやメンテナンスの簡易性を選ぶか等で選択する必要があります。
各塗料の特徴等
オイルステイン 自然塗料系等(木目を生かす非造膜塗料)
メリット
- 木目が引き立ち木の風合いを生かせる。
- 木に浸透させ塗膜を作らないので塗料のメクレ、剥がれ、割れ等が起こらない。また木の触り感も残る。
- 次回塗装時に面倒な旧塗膜の剥離作業(サンディング)を行う必要が無く、同じ塗料を塗るだけで大丈夫。
デメリット
- 耐久性が無く塗装を3~5年の頻度で行わないといけない。(足場が必要な箇所にある場合はメンテナンスが大変&コストが掛かる)
- 造膜性で無い為表面に保護層が薄く、液体よごれ等に弱い。
合成樹脂塗料 いわゆるペンキ等(木目を塗りつぶす造膜塗料)
メリット
- 表面に塗膜が有る為、液体汚れ等に強い。
- 非造膜塗料オイルステイン系と比較して塗装頻度の減少(塗装の回数を減らせます)
- メンテナンスサイクルの向上。(足場を組まないと塗装出来ないような場所にも適している)
デメリット
- 表面に造膜するため木目が消えて木の風合いが生かせない。
- 塗料の耐久年数を経過し塗装をしないと塗膜の剥がれ割れが起きてくる。
- 次回塗装時、旧塗膜を剥がしたりする必要が出てくる場合がある。
- 造膜仕上げ後オイルステイン仕上げに変更は難しい(可能ではあるが旧塗膜を剥離するのに時間とコストがかかる為 断られる場合多数)
外部の木部に造膜塗料を塗装するとメクレや割れ等が生じる場合があるのですがその理由は、もともと木材は調湿性があり呼吸や収縮を行っているのですが
その性質上、木部の上に造膜性塗料を塗装すると木の呼吸や収縮を邪魔してしまいます。
造膜塗料もある程度の柔軟性があり塗装後から数年は木の呼吸や収縮に対応でき剥がれや割れ等はおきないのですが
経年劣化や紫外線により塗膜が劣化すると徐々に塗膜が硬化し、やがて木の呼吸や収縮に追従できなくなり結果塗膜が割れたり浮きが生じ
その箇所から剥離するようになってしまいます。
造膜性塗料塗装現場 前回塗装時から15年以上経過 旧塗膜の剥離が目立ち、手で擦るとはがれるほどの状態。
造膜性塗料 塗装後写真
前回オイルステイン塗装の経年劣化写真オイルステイン塗料 塗装後写真
内部であれば紫外線の影響による劣化が少なくあまりトラブルが出にくいのですが、外部であれば紫外線にさらされた状態で木部の塗装が保ちにくい
状況です。
ですのでケースバイケースで塗料選択し対応していく形です。
なかなか伝えるのが複雑な外部の木部の塗装ですが塗替え時や、見積もりの時等にご相談いただければ御宅の木部に適したアドバイスをいたしますのでお任せ下さい。